長刀鉾の鉾頭の長刀は1.13メートルの長さがあり、刃先が八坂神社と御所に向かないように南向きに付けられています。

 生稚児が乗る長刀鉾は「くじとらず」で前祭の先頭を巡行し、四条麩屋町では斎竹(いみだけ)に張られた注連縄(しめなわ)を稚児が切る「注連縄切り」の儀式が行われ、神の領域に入ります。

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長刀鉾の説明

▼下の文は長刀鉾の鉾町に掲示されていた京都市の駒札説明板(下の写真)を書き写しています。

長刀鉾(なぎなたほこ)

 鉾先の大長刀(おおなぎなた)が名前の由来である。長刀は疫病邪悪(えきびょうじゃあく)をはらうものとして、もとは三条小鍛冶宗近(さんじょうこかじむねちか)の作(さく)が用いられていたが、現在は大永二年(一五二二)三条長吉作(さんじょうながよし)作の長刀を保存し、複製品を鉾頭(ほこがしら)とする。
 古来よりこの鉾は「くじとらず」と称され毎年必ず巡行の先頭にたつ。また生稚児(いきちご)の乗る鉾は今では長刀鉾のみである。
 真木(しんぎ)のなかほどの「天王座」には和泉小次郎親衡(いずみこじろうちがひら)の人形を祀(まつ)る。屋根裏の金地著彩百鳥図(きんじちゃくさいひゃくちょうず)は松村景文(まつむらけいぶん 一七七九~一八四三)の筆、破風蟇股(はふかえるまた)の厭舞(えんぶ)と小鍛冶宗近が神剣を造る姿の木彫胡粉彩色(ごふんさいしき)の彫刻は片岡友輔(かたおかゆうほ)の作である。前懸(まえかけ)はペルシャ花文様絨毯(かもんようじゅうたん)、胴懸(どうかけ)にはモンゴルを含む中国近辺で製織された玉取獅子図(たまとりじしず)絨毯、十華図(じゅつかず)絨毯梅樹図(ばいじゅず)絨毯など、十六世紀の希少な絨毯が用いられていたが、現在はその復元新調品、見送(みおくり)は雲龍波濤文様綴織(うんりゅうはとうもんようつづれおり)、下水引(したみずひき)の五彩雲麒麟図刺繍(ごさいうんきりんずししゅう)の図も復元新調品を使用、旧懸装品(きゅうけんそうひん)として梅枝に鵲(かささぎ)の図朝鮮毛綴(けつづれ)やペルシャ絹絨毯(十七世紀)も大切に保存されている。
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▲上の文は長刀鉾の鉾町に掲示されていた京都市の駒札説明板(下の写真)を書き写しています。